Lingerie~after story~
なんの怯みも躊躇いもなく私の口からぴしゃりと弾かれた本心。
だってそうでしょう?
いくら一緒に居る為だと言ってもその為に自分の信念を曲げるなんて許せない。
…そう、許せないんだ。
だって、九条君でしょ?
何があっても絶対に誰にも屈しない様な仕事の鬼でしょう?
鬼になるくらいあの仕事に真剣で夢中で……私はそんな九条くんがね、
「仕事馬鹿な九条くんに惚れてるんです!」
これまた、はっきりきっぱりだ。
自分でも驚くほどいつもの自分の捻くれ不発。
むしろ言った直後にようやく素直に感情を吐露したものだと気が付いた程。
そんな自分に私自身が驚くのだから、当然目の前の九条くんはずっと顔に驚愕を張り付けたままこちらを見つめている。
言葉を向けられた九条くんが言葉を失うのだ、この場に入り様のない2人が口を挟むはずもなく、耳に響くのは横目に広がる庭からのひたすらに心地よい夏の木々のざわめきばかりだ。
あ、ほんの少しの羞恥心の疼き。
でも、いつもみたいに打ち崩れないよ?
だから、一瞬たりとも視線を外したり表情を崩したりしてないでしょう?
「…………惚れる」
「……………………えっ?」
ようやく響いた人の声は確実に九条くんの口から零れた響きであると、視覚と聴覚でしっかり確認済みだ。