Lingerie~after story~
今までだって九条くんの欲情には直面してきたけれど、こんな風に明確に感じさせられるのは今日が初めてだ。
腕を掴まれ意識が追い付くより早く指先で感じさせられた限界には、羞恥が全てを上回って困惑の涙が両目から溢れる。
だけど……ああ、これは失敗だ。
だって……、
「泣いてもやめてあげない」
「っ……」
「ってか………泣いて煽ってるとしか思えない」
「っ~~~」
そう……そういう人だったものね。
彼が言うより早くその理解が追い付いたのに手遅れであった。
すでに頬に流れ落ちた涙は確実に彼の欲情を煽っていたらしく、私に同情の眼差しを向けるどころか更に恍惚とした双眸で私を縫い付ける。
……直後に、捕食。
噛みつく様な口づけで貪られ、掌には強引に彼の欲求の感触を与えられる。
着物上からでもこんな風にはっきりと感じてしまうものなんだ。
確かにあの場に留まるなんて出来なかったのかもしれないと、今更先程の言葉に意識が走るのは僅かばかりの現実逃避かもしれない。
だって、そうでもしていないと完全に意識が迷子になりそうで、そうなってしまったらただ困惑に泣き続けるだけな気がして。
それは嫌だと何故か足掻いて意識のある羞恥を保とうとしてしまう。