Lingerie~after story~



そのころ……。



「お見合い丸投げだなんて……実に教育の行き届いたご子息です事。おじ様」

「まぁ、お見合いの席だなんて名ばかりで茶番劇でしたからね。それにあれだけ煽られてしまえばねえ。あの啖呵と言い、ますます私は寧々さんが気に入ってしまいましたよ」

「フフッ、それは勿論そうでしょうとも。寧々ちゃんが如何に清く正しく愛らしく、素直でありながら素直じゃない生き物か、私が一番よく知っていますもの。だからこそ時に魔性にもなり得て、親しくなった殿方はさらりと心奪われてしまうんですよ」

「駆け引きの意志なんてない駆け引き程性質が悪く、それでいて癖になってハマりこみやすい。寧々さんはまさにそのタイプだからね」

「希少価値の高い愛らしい生き物なんですよ寧々ちゃんは。だから……もし、爽さんが寧々ちゃんを傷つけるような事があったその時は私が……水守家が黙ってはおりませんので重々お気を付けを」

「フッ……その点はご安心を」

「フフッ、そうなのですか?」

「ええ、爽くんは私に似て……目に留めたが最後、その人しか愛せない性質でしょうからね」

「おじ様、笑っていらっしゃるけれどいつもより目が鋭く感じられますわ。爽さんに愛された寧々ちゃんは幸せなのか不幸せなのか……今のおじ様を見たら少々迷いましたわ」

「まあ……その判断は当人同士が決める事ですから」



穏やかな庭を横目に交わされた、密かなる二家の談話。

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