Lingerie~after story~
まあ、そんな仕草で黙るような奴じゃないと知っているから無駄な抵抗なんだけど。
案の定、ニヒルな笑みを浮かべ男にしては艶やから唇はまだまだ話足りないと、ここ数日の鬱憤を晴らしにくる。
「それにしても大胆よね。本当に私も居たあの状況であの子を放置して帰るなんて。私が傷心なあの子の初めてをパクリといっちゃうかもなんて心配はなかったわけ?」
「実際食ってねえだろ」
「………」
「そうだよな?良い人のポジションが邪魔して食えねえだろうとも思ってたし、……まあ、信頼突き崩して食いついてもあの場面じゃ失う物のリスクのが大きいだろ?お前」
「まあ、そうね。あの場で行動するのは得策じゃないし、むしろ良い人の株を上げておいた方が覚えは良いわね、悔しながら」
「悪いけど、俺はそんなポジション御免だね。甘やかして安堵ばかりを与える役ならお前がやればいい。なんなら、俺は別にお前が暴走して彼女に手を付けてても痛くも痒くもなかったさ」
「はっ?」
「俺が欲しいのは甘酸っぱい彼女の初めて相手なんて称号じゃない。正直別に初めてだなんて希少価値にも興味はない。欲しいのは彼女その物。彼女の全て。お前の勝ち得てる良い人のポジションじゃ引き出す事のできない彼女も全てだ」
俺に対する安堵も、そして畏怖や不安も全部。
彼女が俺に対して抱けるはずの感情は全て残さず、それこそ……骨の髄まで。