Lingerie~after story~
そんな私に『良い子』だと言わんばかり、鼻の付け根あたりにしっとりと唇を押し当ててくると、
「確かにもどかしいけどね。俺は結構この距離間も楽しんじゃってるんだよ。なかなか気を許さない猫を懐かせてるみたいで」
「んっ……さっきまで…本能丸出しだった癖に」
「丸出しなんて、ちょっと馴染ませてみてるだけだよ。ミモリさんの警戒が早く緩むように。俺が本能丸出しになったら待ったも聞かずに食いつくすって」
「……九条くん、」
「好きですよ」
「……まだ何も聞いてない」
「フッ……でも、どんな質問でも突き詰めて知りたい結論はそこでしょう?」
ああ、無言はきっと肯定になる。
そうと分かっているのに反論の言葉は浮上せず。
むしろ……沈黙で肯定になるのなら捻くれ者の私には好都合だわ。
それを全て分かった上で会話を為したというのなら九条くんはやり手だ。
見事沈黙した私に向けられるのは妖艶でどこか危険さ孕む黒と水色のオッドアイ。
口元にはずっとゆるりとした弧が描かれていたけれど更にクッと強まって。
そんな妖しさにまんまと魅了されて見つめていたけれど、音もなく静かに寄せられる顔の距離には羞恥の方が一歩早かったらしく、
「っ……ゴメン」
「なかなか手ごわいね」
「だって……」
「『だって』?だって……なんなの?」
ああ、うっかりだ。