愛人契約
顔を上げると、本田さんは手帳に自分の連絡先を書いた。

「3日間、考える猶予を与えよう。それで、愛人契約を結ぼうと思うのなら、ここに電話してくれればいい。」

「連絡が、なかったら?」

「僕は選ばれなかったと言う事だ。潔く他の人を探そう。」

私はゴクンと、息を飲んだ。

「分かりました。」

「よし。じゃあ、ここを出ようか。」

私達は立ち上がって、お店の入り口のところへ来た。


「あ、いくらですか?」

私が財布を出そうとすると、本田さんはそれを止めた。

「いいよ。ここは僕が出す。」

「いえ、そんな……期待外れな事までさせてしまったのに。」

すると本田さんは、手を差し出した。

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