イケメン部 〜第3巻〜



澪和の彼氏である御影は、何とも言えない重い表情を浮かべていた。



「ほんとに俺が婚約者だと思ってる?」


「…は?」



しん、と静まり返った保健室で一樹がポツリと呟いた。


西条は食い気味に、



「テメェがそうやって言ったんだろーが」



グイッと一樹に顔を近づける。


一樹はプイッと顔を逸らすと、ハハッと笑って、



「…俺じゃないよ。…………兄さんだよ」


「「「「!?!?」」」」



苦しそうに呟いた。



「……佐々木…教芳先輩…」



震える声で城津が呟く。

一樹は、「そうそう」と軽く言う。


御影の表情は暗かった。


そんな御影に気付いたのか、桐神はそっと近付き、背中を撫でる。


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