蜜月同棲~24時間独占されています~
幸せな時も、困難な時も
病める時も、健やかなる時も

死が、ふたりを別つまで
愛し、慈しむこと


この先の、長い年月を
今まで過ごした時間よりも、ずっとずっと長い時間を


克己くんとふたりで歩むことを


「……誓います」


涙声で少し擦れてしまったけれど、初めて愛を誓うことの重みを感じた。


近づいてきた介添人にブーケを預ける。
差し出された小さな箱の中には、白いクッションに乗せられた指輪がふたつ並んでいた。


折り重なるように乗せられた指輪に、これからの生き方が重ねて見えた。
こんな風に、寄り添って生きていきたい。


克己くんの大きな手がちいさい方の指輪を取り、私の左手を掬い上げ薬指にはめた。
次に、私が彼の左手の薬指に指輪を通す。


手が震えて上手くいかない。
やっと指の根本まで指輪が辿り着いた時、涙が彼の手の甲にぽたりと落ちてしまった。

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