あ、あ、あ愛してる「君に伝えたい思いをこめて」
できないなど、微塵も思っていない。

川元の歌声を聞いていて、俺はちゃんと拓斗や奏汰のことを考えて曲を作り、演奏していたか? 歌っていたか? を思い知らされた。

「ソロなら、あなたの歌い方でいいけれど合唱は、一緒に歌っている人たちの声をよく聞いて寄り添わなきゃいけないの」

なかなか1つにならない川元と俺の歌声。

歌い終えて、これはかなり骨が折れそうだなと思った。

「か川元、どドンマイ。あ明日からが頑ーば張ろうな」

川元の頭をポンと撫でたが、川元は何も言わなかった。

ウンともスンとも言わず、俺を見上げて歪んだ笑顔を浮かべた。

「れ練習、あー明日もちちちゃんとこー来いよ」

背を向けて歩いていく川元に、花音と2人で手を振った。

川元の姿が見えなくなるまで、手を振り続けた。
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