月が綺麗ですね
「え、遠慮なんかしてませんっ」

「じゃあ、飯塚にするぞ」


思いもよらないセリフに私はえっ!?って顔をして目を見開き彼を見上げた。そんなの明らかに冗談に決まっているのに。


「冗談だ」クスクスと笑いながら、先に彼は体を起こすと私の手を引いて起こしてくれた。


...やっぱり。



「飯塚は俺が秘書室に呼んだんじゃない。呼んだのは会長だ」

「会...長ですか?」

「ああ」


副社長はデスクの上の書類を横によけると私の隣に座る。


「呼んだ理由は...分かるだろ?」

「...はい」


飯塚さんを愛人にしようとした。

あのタヌキ...最低っ。
< 137 / 316 >

この作品をシェア

pagetop