月が綺麗ですね
再びドキドキと胸が鳴り始める。

肩に手を回して副社長が抱きしめてくる。


「お前がいいと言うまで求めない」


えっ?それって私を大切に思ってくれるの?

その優しさにじんわりと胸が熱くなり、再び頬を涙が伝った。


「男は傷つかない。傷つくのは女性側...風花のほうだからな。お前が許してくれるまで俺は待つ」


自分でもどうしてこんな大胆な行動に出たのか分からないけれど、私は副社長の胸に頬を埋めその温もりに甘えると、彼は優しくその腕で私を包み込んでくれた。


降ろされていないブラインドからは夜の街が赤や黄色を点滅させながら光を放っている。まるで心臓と呼応しているみたいに。


「...これで俺に愛されている確信が持てたか?」


コクンと私は頷く。


「お前一筋だと言う事も信じてもらえるか?」

「...はい」

かすれた声で答えた。
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