月が綺麗ですね
もともと忙しい人だから、キャンセルもひと仕事だった。
キャンセルして、予定を組み直す。それだけで、半日使ってしまった。今日一日ならいいのだけれど、どうやら副社長はあと数日休むらしい。

ってことはこの作業にあとどれだけ時間を割かなければならないの?

気づいてゾッとした。

今日やる予定だった私の仕事が後回しになってしまう。


「残業かぁ。私、今日帰れるのかな?」


給湯室でぼやいていると、北林さんが声を掛けてきた。


「ねぇ、ちょっとつきあってくれる?」

「はい?」

「こ~れ」


北林さんはタバコを吸う身振りをした。
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