月が綺麗ですね
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定時後、私は人事課の前に立っていた。
人事は秘書室と一緒で社員の無用な立ち入りを禁止されている。たとえそれは重役秘書であっても例外ではない。
約束の時間を少し過ぎて、弘くんが出て来た。
「ごめん、待ったか?」
「ううん、かえってごめんね。忙しいのに」
「こっち」
弘くんは私の手を取ると、人事課の隣に併設されている人事専用応接室のドアを開けて使用中の札を出した。
弘くん?
借りたトレーナーを返しに来ただけなんだけど?
重役応接室とはやっぱり雲泥の差だった。一般の応接室よりは多少は華やかなたたずまいだったけれど、豪華な環境に慣れていたせいか、それ以外の応接室がとても簡素で狭く感じて少なからず違和感を抱く。
それこそが傲慢だ。と思いながら。
「あの、これありがとう」
袋に入ったトレーナーを差し出す。
定時後、私は人事課の前に立っていた。
人事は秘書室と一緒で社員の無用な立ち入りを禁止されている。たとえそれは重役秘書であっても例外ではない。
約束の時間を少し過ぎて、弘くんが出て来た。
「ごめん、待ったか?」
「ううん、かえってごめんね。忙しいのに」
「こっち」
弘くんは私の手を取ると、人事課の隣に併設されている人事専用応接室のドアを開けて使用中の札を出した。
弘くん?
借りたトレーナーを返しに来ただけなんだけど?
重役応接室とはやっぱり雲泥の差だった。一般の応接室よりは多少は華やかなたたずまいだったけれど、豪華な環境に慣れていたせいか、それ以外の応接室がとても簡素で狭く感じて少なからず違和感を抱く。
それこそが傲慢だ。と思いながら。
「あの、これありがとう」
袋に入ったトレーナーを差し出す。