月が綺麗ですね
「...風花」


もう一度弘くんが私の名前を呼んだ。


そして、彼は私をそっと抱きしめた。


「弘くん...弘くん...」



彼の名前を何度も何度も呼びながら、その胸で泣いた。



時間も忘れて泣いた。



薄暗かった応接室は、私たちの影が闇に溶け込み分からなくなるほど暗くなていた。
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