シンさんは愛妻家
午後一番の会議に備えて、食事をとってしまおうと思う。

前は明るい場所に一度は出るために食堂に行っていたけど、
ここではそんな必要もない。

来客用のソファーが備えられている部屋なので、
そのテーブルに弁当を広げる。

最近の僕はとても暇になったので、
毎日食事を作り、弁当も用意するようになっている。

まだ、赴任したばかりで女の子と知り合う暇もなく、
午前中にはこの部屋で、治療をしている患者の途中経過のデータの確認をし、
会議に出て、読影室に籠るというひとりで行動する日々を送っている。

まあ、今はそれでいい。

「サラダ忘れたな…」

と独り言を言う。
冷蔵庫に用意していたのにすっかり忘れてきてしまった。

コーヒーも飲みたいし、外来にあるコンビニに行こう。

サラダも、小さなものを買ってこよう。
今日の弁当は野菜が足りない。

と思い立って弁当を置いたまま、コンビニに向かった。
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