シンさんは愛妻家
イブキは週明けから、バイトに出かけた。

(首も手首も隠すセーターを着て行った。
僕の付けたキスマークがたくさん付いていたから…
イブキは僕に凄く怒って…
でも少し幸せそうにキスマークを何度もながめている。)


病院の中のコンビニは8時から消灯時間の21時までになっていて、

早出と遅出に分かれる勤務みたいだ。


まあ、医療事務の資格を取って仕事が他に決まったら、

バイトは辞めさせてもらう事にする事にするようだけど

そう簡単に正規の職員には決まらないのかもしれない。

でも、春は異動や、退職がある季節だから

3月のうちになんとしても資格を取らせたいと思う。



…引っ越していき、仕事が軌道に乗り、タビィと仲良く暮らすようになったなら

その頃にはイブキは僕の元を離れていくだろうか…


まあ、いい。

僕は

イブキを僕の『愛してる』で満たすと決めている。



院内では、お互い知らないふりをする事をイブキに言い聞かせ、(面倒は嫌いだ)

別々に仕事に行く事にする。


僕の住んでいるマンションは駅に直結しているタイプだし、

病院には駅までのバスが職員用に22時まで出ているから

そう、心配する事もないだろう。


遅番の帰りには病院のバスに乗ったら連絡するように言い含め、

僕がいない時には部屋に着いたらメッセージを送るように言っておく。



「先生って心配性ですね」

と生意気なことを言うイブキに

「先生じゃないから…」

と不機嫌な顔を見せてやり、


「…えっと…えっと…し…シンさん?」

とモジモジといちいち赤くなるイブキを眺めるのが今の僕のお気に入りだ。






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