拘束時間 〜 追憶の絆 〜
”俺だけのお姫様。”
彼の言葉を頭の中でくり返して。朝から顔がニヤけてる私に気が付き、百合奈がつついてきた。
「沙綾〜っ、昨日の夜。なんかイイコトあった?ついに、結ばれちゃった??彼とっ」
同期で親友の百合奈だけには、彼と私が付き合っていることを明かしていた。
「えっ!?何言ってんの!?むっ、結ばれるって......!私達まだ付き合ったばっかりだよっ!」
「ああ。その様子じゃ、沙綾はまだ処女だね」
百合奈は踵を返すように、そっけなく言った。
「なっ......!声大きいよっ!」
彼の発言にしろ百合奈の発言にしろ。私は顔が赤くさせられっぱなしだ。
そう。優斗と付き合って2ヶ月あまり。未だ、私達は身体を重ねていない。
彼は、私が今まで男の人と付き合ったことが無いのは知っているし。私に沢山キスはしても、無理に身体を求めて来たりはしない。
優斗が私のことを心底愛してくれているのは分かる。
一人前の男なら。一つ屋根の下で好きな女の子と暮らしていたら当然、身体も欲しくなるはず......。
ふと、よぎる。
”好きな女(ひと)のことは分かる。”と言った彼の言葉。
彼が、あからさまに求めて来ないのは。やっぱり、私が心のどこかでまだ”初恋の優斗君”のことを忘れていないから?
自分では、今の彼と出会って。痛ましい初恋の記憶は塞がったと思っているのに......。
でも、確かに。今すぐ彼に、この身を委ねるという気持ちにはまだなれない。
私以上に。彼は私の気持ちに敏感なのかも知れない。
「何?さっきは、あんなにニヤニヤしてたのに。今度はシュンとしちゃって。まぁ、情緒不安定になるのは恋してる証拠だねっ」
百合奈は、あっけらかんと笑った。
「うん......」
「......なんか、悩みあったら溜め込んじゃダメだよ。あたしも、彼氏とケンカした時とか凹むし、そういう気持ち分かるからさ」
「ありがとう。いっぱい、いっぱいになったら聞いてやって......」
普段キャッキャしている百合奈だけど、私が暗い顔をしている時にはいつも励ましてくれる。そんな彼女に私は、とても感謝していた。
それから、私は一人で勝手に。彼とセックスするタイミングについて考えていた。
もう22歳だし。
私達ちゃんと付き合ってるし、
彼は私を好きでいてくれるし、
私も彼を好き......だよね?
「昼飯、一緒に食べよう」
いつの間にこんな時間に!?
一人で悶々と考えていたら信じられないくらい時間が早く過ぎていて、彼からLINEが送られてきていた。
彼の言葉を頭の中でくり返して。朝から顔がニヤけてる私に気が付き、百合奈がつついてきた。
「沙綾〜っ、昨日の夜。なんかイイコトあった?ついに、結ばれちゃった??彼とっ」
同期で親友の百合奈だけには、彼と私が付き合っていることを明かしていた。
「えっ!?何言ってんの!?むっ、結ばれるって......!私達まだ付き合ったばっかりだよっ!」
「ああ。その様子じゃ、沙綾はまだ処女だね」
百合奈は踵を返すように、そっけなく言った。
「なっ......!声大きいよっ!」
彼の発言にしろ百合奈の発言にしろ。私は顔が赤くさせられっぱなしだ。
そう。優斗と付き合って2ヶ月あまり。未だ、私達は身体を重ねていない。
彼は、私が今まで男の人と付き合ったことが無いのは知っているし。私に沢山キスはしても、無理に身体を求めて来たりはしない。
優斗が私のことを心底愛してくれているのは分かる。
一人前の男なら。一つ屋根の下で好きな女の子と暮らしていたら当然、身体も欲しくなるはず......。
ふと、よぎる。
”好きな女(ひと)のことは分かる。”と言った彼の言葉。
彼が、あからさまに求めて来ないのは。やっぱり、私が心のどこかでまだ”初恋の優斗君”のことを忘れていないから?
自分では、今の彼と出会って。痛ましい初恋の記憶は塞がったと思っているのに......。
でも、確かに。今すぐ彼に、この身を委ねるという気持ちにはまだなれない。
私以上に。彼は私の気持ちに敏感なのかも知れない。
「何?さっきは、あんなにニヤニヤしてたのに。今度はシュンとしちゃって。まぁ、情緒不安定になるのは恋してる証拠だねっ」
百合奈は、あっけらかんと笑った。
「うん......」
「......なんか、悩みあったら溜め込んじゃダメだよ。あたしも、彼氏とケンカした時とか凹むし、そういう気持ち分かるからさ」
「ありがとう。いっぱい、いっぱいになったら聞いてやって......」
普段キャッキャしている百合奈だけど、私が暗い顔をしている時にはいつも励ましてくれる。そんな彼女に私は、とても感謝していた。
それから、私は一人で勝手に。彼とセックスするタイミングについて考えていた。
もう22歳だし。
私達ちゃんと付き合ってるし、
彼は私を好きでいてくれるし、
私も彼を好き......だよね?
「昼飯、一緒に食べよう」
いつの間にこんな時間に!?
一人で悶々と考えていたら信じられないくらい時間が早く過ぎていて、彼からLINEが送られてきていた。