拘束時間　　　〜 追憶の絆 〜
　私は、彼らしくない好戦的な発言に慄いた　ーー。

　万が一にも優斗は、そういった行動に出るタイプではないと思っていた。

　でも、それは私の勝手な思い込みで、彼と知り合ってまだ半年にも満たないのだ。

　私には、まだまだ彼の知らない部分がたくさんある。

　それに、男性には少なからず。そういった闘争心が生まれつき備わっているものなのだろう。

　「ごめん。怖かった？そんな顔しないで......」

　好戦的な発言に慄き、表情がこわばった私を見た彼は途端に先ほどの闘争心が消え失せて。いつものように、その端正な顔立ちで優しく微笑みかけてくれた。

　優斗は顔立ちこそ端正だが体つきは、細身だけど骨が太くて予想以上に筋肉質で弾力があり、男性の身体そのもの　ーー。

　......彼に幾度となく抱きしめられている私が言うのだから相違ない。

　洋服の上から抱き締められただけでも、そう感じるということは。いつか来るであろう彼と裸で抱き合う時には、もっと。より男らしい彼の身体を私は体感することになるだろう......。

　それは私が知らない彼の部分の一つ。

　私が知っている彼の部分で確信していることは、私への気持ちに嘘偽りがないということだ。

　「もし、不測の事態が沙綾へ向けられるものだとしたら。俺、たとえ先輩でも遠慮しないから」

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