拘束時間   〜 追憶の絆 〜
 優斗が私を大切に思ってくれる気持ちは本当に嬉しい......。

 だけど、今回のことで彼が悪者扱いされるようなことには絶対になって欲しくない。

 「お願い。優斗の立場が悪くなるようなことだけは、絶対にしないって約束して」

 「大丈夫だよ。闇雲に野蛮なことはしないから」

 優斗はそう言って朗らかに笑ったが、相手は、あの浦田さんだ。優斗の立場を危うくするようなことを何かしてくるかもしれない。

 私は心配を拭いきれなかった。

 彼のことが心配で私は仕事に集中できず、あろうことか、やり残してしまい。定時に上がるはずだったのに残業しなくてはならなくなった。

 自業自得 ーー。      

 全く。なんて間抜けなんだろう。

 定時に上がって”一緒に帰ろう”と言った、彼との約束を破ってしまうなんて。

 彼には。”約束して”なんて、勝手なことを言ったくせに。
 
 私は、なんて自分勝手なんだろう。

 優斗に甘えるだけ甘えて......。

 優斗への申し訳なさと仕事が片付かないイライラで、自己嫌悪に陥りながらも。私は彼へ、残業することをLINEした。

 「一緒に帰るって約束したのに、残業しなきゃいけなくなっちゃった......。本当に、ごめんなさい。」

 すると。すぐに既読となり、彼から返事が返ってきた。

 
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