拘束時間 〜 追憶の絆 〜

　休日の海浜公園は家族連れが多く、園内を所狭しと駆け回る子供達の活気で満ち溢れていた。

　有り余る生命力を放って無邪気にはしゃぐ様子を見ていたら、私は愛らしさと同時に感傷的な気持ちが湧き上がってきた。

　先ほど、優斗の髪にかかった天使の輪の残像と公園で遊ぶ幼い子供達の姿が重なって、古傷が痛む......。

　「子供好きなの？」

　子供達から目が離せなくなっている私に優斗が朗らかな笑顔で聞いてきた。

　確かに、子供は好きだけど。

　今は、違う気持ちで見てた.....。

　「うん。かわいい」

　私は、彼に感傷的な気分を悟られないように努めて穏やかに答えた。

　そんな私の答えを聞いた優斗は、まじまじと私を見つめて言った。

　「欲しいの？」

　ーー　え！？

　いきなり何を言ってるの！？？

　突然の質問に、どう答えていいか困惑している私を尻目に。さらに彼は瞳を潤ませながらこう言った。

　「沙綾が子供欲しいって言うのなら、俺はいつでも大丈夫だよ」