真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
広務さんは手のひらを私の頭の上でポンポンと弾ませながら、目尻の下がった優しげな笑顔を向けて、自己嫌悪に歪んだ物憂げな顔の私を穏やかに癒してくれた。

私と居る時、広務さんは、いつも自分の事よりも私の事を考えてくれる。今も余裕を見せる彼に私は愛しさと、感謝そして申し訳なさで胸が苦しいくらいに締め付けられた。

「俺、先にシャワー浴びて来ていい? あっ、それとも今日は一緒に入る?」

こんなに胸が強く絞られて、甘えたいシグナルが発せられているタイミングで、彼の誘いに抵抗する事は難しい。

でも、一緒にお風呂に入ったりなんかしたら......。

「......ヤダ」

「やっぱり......。うん、まぁ、確かに。俺も、さすがに今日は自制出来る自信無いし、初めて優花を抱いたのがバスルームじゃ、申し訳なさ過ぎるから」

彼は若干、苦笑いを浮かべた後、パッと朗らかな表情に切り替えると、入浴準備のためにリビングを出て行った。

ーーちょっと、後ろ髪引かれるなぁ......。

バスタブに浸かりながら、後ろから抱きしめられたかったかも。

一人リビングに残された私は、自分から拒否しておきながら、フツフツと湧き上がる甘えたい欲求と戦いながら、アイスコーヒーが入っていたグラスを持ちキッチンへと向かった。

キッチンとバスルームが壁を隔てて同じ位置にある彼の部屋の間取り。私は壁も分厚く防音設備が完璧な、このマンションで、聞こえるはずもないのに彼がシャワーを浴びてる音が聞こえてこないものかと思わず耳を澄ましてしまう。

そして、想像してしまう。好きな男(ひと)の裸......。

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