真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
実際のところは、広務さんと私が付き合い始めたのは、ほんの二ヶ月前。

交際の進度というものは十組十色で、他のカップルと比べるものではないけれど、それでも私達は感情面、関係の成熟度において、かなりハイペースで先に進んでいるような気がする。

私達の恋愛関係を早い段階で成熟させた大きな要因は、私の幼い頃の思い出。

幼い頃母に捨てられ、心に深い傷を負った私を広務さんは、たじろぐことなく受け止めてくれた。丸裸の心で彼に身を委ねた瞬間、私は生まれ変わった。そして、足枷になっていた悲愴感を手放して、私は無防備に彼を求めるようになった。

これが初めての、本当の恋。

真っ白で、優しくて、あたたかい......。

私はバブルバスに浮かぶ白くて丸い泡に、初恋を例えながら湯船を悠然と回遊する、黄色いおもちゃのアヒルを見つめた。

お泊まりグッズを買いに立ち寄ったコンビニで入浴剤の隣に、ひっそりと売られていたミニサイズのアヒル隊長。

私が「かわいい」と、ポツリと呟くと広務さんは、おもむろに手に取って買い物カゴの中に座らせた。

「一緒に、お風呂に入りな」

彼は自分の腕にピッタリくっついて甘えていた私に、まるで小さな子供をあやすようかのような、ほのぼのとした口調で言った。

私は抱きしめるように、彼の左腕に自分の両腕を絡めながら、首を縦にコクンと頷いた。

あの時、私は嬉しくて仕方がなかった。

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