【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「あーぁ。さてと。久倉補給でもして来ますか」
俺は誰に言う訳でもなくそう呟くと、かたんと静かに席を立って、軽く伸びをしながら彼女の向かったであろう給湯室へと足を運んだ。
そこそこに毛並みの良い絨毯が敷かれた、ここのフロアは俺のお気に入り。
何故かと言えば、それは彼女のお気に入りだから。
男なんて簡単なもんで。
結構、好きな女の意見に左右されるもんなんだな、とか。
それを何気に楽しめちゃうもんなんだなとか。
単純明快で分かり易くていいじゃないかだなんて…あれこれ考えてみては笑いが込み上げてくる。
本当に中坊の恋する少年か。
そんな風に思いながら、良い香りが漂う給湯室へ入って行くと、少し呆けた感じの…素の彼女が、いる。
「ひーさーくーらっ」
「……………」
「久倉…?」
「え、あ…はい?何でしょう?」
「…はぁ。俺の声くらい、此処にインプットしといてくれよ」
とんとん
そう言って、彼女のこめかみの辺りを突いたら、それはもう明らかに真っ赤な顔で動揺されて。
「ひっ、人呼びますよ?!」
なんて、俺は強姦魔かよってなくらいに叫ばれた。
まぁ…叫び声を上げられる前に、手の平で口を覆ったけれど。