【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「…んんっ」
結果。
鼻に掛かった、可愛い声を出させてしまい、自爆。
それと一緒に、手の平に感じている彼女の口唇に、滅茶苦茶ときめいてしまってる…訳で。
「かーわいー声」
そう、茶化す事で、なんとか己を鎮めた。
もー…。
この年になって、こんな生殺し…勘弁してくれよ。
恥ずかしいのか、人の手をそのまま掴んで放さない彼女。
潤んだ瞳に吸い込まれてしまう。
良い雰囲気…かと思いきや。
「んもうっ!からかってばっかり!」
なんて、ぷりぷり怒って俺との距離を大袈裟に取る。
「そんなぷりぷり怒んなよ。美人が台無しだぞ?」
「誰か美人なんですかっ!」
本当にここまで自覚無いとか…天才か?
半分呆れて溜息を吐くと、彼女は俺にコーヒーカップをぐいっと寄越して、他の奴等の分をトレイに乗せると、仏頂面で給湯室を出て行こうとする。
だから、俺はそのトレイをひょいと彼女から取り上げて、先を歩いた。