私、今日からお金持ち目指します?
「自慢じゃないが、僕はこう見えて有名人だ」
突然、声高らかに上条勝利が宣う。
「木佐社長の紹介が無くても、皆、僕のことは知っていた。だろ?」
会場にいる全員が、首振り人形のようにコクコク頷く。
「セミナーに参加した理由は、純粋に学びたいと思う気持ちプラス、もしかしたら僕に取り入れるかもという邪な気持ちで参加した者が……」
と言いながら上条勝利は会場を見回し、「一人を除いて……」と私を指す。会場内の視線が全て私に向く。
「全員だろう。そのために、皆、普段以上に身だしなみを整えやって来た。だろ? いい心がけだ。まぁ、一部、やり過ぎの感はあるが……」
今度は前列のあの女性二人に視線を向ける。
だが、私に向けた冷たい視線とは、やっぱり違う。
「その努力は認める」と言われた途端、二人がキャッとピンクの声を発する。
「ここで一つ! 富豪を目指すなら、身だしなみには気を付ける事! 特に、気に入られたいと思う相手との初対面はだ! 第一印象は見た目が九割と言われ、出会って三秒ほどで決まってしまうからね」
「ハイ!」と一人の若者が挙手し、訊ねる。
突然、声高らかに上条勝利が宣う。
「木佐社長の紹介が無くても、皆、僕のことは知っていた。だろ?」
会場にいる全員が、首振り人形のようにコクコク頷く。
「セミナーに参加した理由は、純粋に学びたいと思う気持ちプラス、もしかしたら僕に取り入れるかもという邪な気持ちで参加した者が……」
と言いながら上条勝利は会場を見回し、「一人を除いて……」と私を指す。会場内の視線が全て私に向く。
「全員だろう。そのために、皆、普段以上に身だしなみを整えやって来た。だろ? いい心がけだ。まぁ、一部、やり過ぎの感はあるが……」
今度は前列のあの女性二人に視線を向ける。
だが、私に向けた冷たい視線とは、やっぱり違う。
「その努力は認める」と言われた途端、二人がキャッとピンクの声を発する。
「ここで一つ! 富豪を目指すなら、身だしなみには気を付ける事! 特に、気に入られたいと思う相手との初対面はだ! 第一印象は見た目が九割と言われ、出会って三秒ほどで決まってしまうからね」
「ハイ!」と一人の若者が挙手し、訊ねる。