君の思いに届くまで
学舎の中は外よりも更にひんやりとしていた。
薄暗い廊下は黄色っぽい電飾にうっすらと照らされている。
この時間にもなると、ほとんど人気はなかった。
しばらく廊下を進んだ先にある一室の扉を鍵を開けて入る。
部屋は真っ暗で一番奥の窓から月明かりが張り詰めた空気を切り裂くように差し込んでいる。
・・・バタン。
扉が静かに閉まる音が私の背後に聞こえた。
「ヨウ・・・」
琉の声が静かに響く。
「・・・本当に勝手なことしてごめんなさい」
思わず首をすくめながら目をつむって言った。
「会いたくてしょうがなかった」
目をうっすらと開けた時、私は琉の大きな胸の中に抱きすくめられていた。
迷惑なんじゃなかったの?
私は琉の熱い胸に顔を埋めながら、爽やかなオーディコロンの香りを吸い込んだ。
愛しい琉の香り。
「さっきはごめん。生徒がいたからあんな態度をとってしまった」
そう言いながら、ゆっくりと琉の手が背中をなで上げながら私の後頭部に添えられた。
耳元でささやかれる琉の低音に私の体中が電気が走ったみたいに振るえた。
「ほ、本当に?」
振るえる声で応える。
その時、私の唇が優しく塞がれた。
これって、これって、私、今キスされてる?琉に?!
初めての大人のキスだった。
熱くて甘くて体中がとろけそうになるような。
頭の中が真っ白になる。
その時ふっと琉の唇が離れた。
現実の世界が真っ白の頭に戻ってくる。
現実なんかなくたっていい。
衝動的に琉の体にしがみついた。まるで子供のように。
薄暗い廊下は黄色っぽい電飾にうっすらと照らされている。
この時間にもなると、ほとんど人気はなかった。
しばらく廊下を進んだ先にある一室の扉を鍵を開けて入る。
部屋は真っ暗で一番奥の窓から月明かりが張り詰めた空気を切り裂くように差し込んでいる。
・・・バタン。
扉が静かに閉まる音が私の背後に聞こえた。
「ヨウ・・・」
琉の声が静かに響く。
「・・・本当に勝手なことしてごめんなさい」
思わず首をすくめながら目をつむって言った。
「会いたくてしょうがなかった」
目をうっすらと開けた時、私は琉の大きな胸の中に抱きすくめられていた。
迷惑なんじゃなかったの?
私は琉の熱い胸に顔を埋めながら、爽やかなオーディコロンの香りを吸い込んだ。
愛しい琉の香り。
「さっきはごめん。生徒がいたからあんな態度をとってしまった」
そう言いながら、ゆっくりと琉の手が背中をなで上げながら私の後頭部に添えられた。
耳元でささやかれる琉の低音に私の体中が電気が走ったみたいに振るえた。
「ほ、本当に?」
振るえる声で応える。
その時、私の唇が優しく塞がれた。
これって、これって、私、今キスされてる?琉に?!
初めての大人のキスだった。
熱くて甘くて体中がとろけそうになるような。
頭の中が真っ白になる。
その時ふっと琉の唇が離れた。
現実の世界が真っ白の頭に戻ってくる。
現実なんかなくたっていい。
衝動的に琉の体にしがみついた。まるで子供のように。