ぶっ壊れるほど愛してる


特にやりたいことも無くて、大学を卒業してもフリーターしながらフラフラしてた私がその当時付き合ってた彼にプロポーズされた。


結婚したら専業主婦として俺を支えて欲しい。

10個上の彼はそう言ったが、その当時24歳の遊び盛り真っ盛りの私はその言葉から逃げたくて、就職活動を始めた。


仕事をしてお金貯めて同棲してた家を出ようって考えてた。
今考えればサイテーな女だな自分とか思うけど、まだまだ気持ちが子供だった私はとにかく結婚という重たい言葉から逃げたくて仕事を探したんだ。


運良くたまたま受かったこの会社。
白百合コーポレーション。
お給料も良くて、ちゃんとした会社で受かった瞬間ちょっと涙したっけ。


初めての出勤日、隣のデスクだった華。


同い年で、同期で、
童顔で特別かわいいとかそうゆう訳じゃないんだけど笑うと愛嬌があって可愛いなと思った。


話す機会も多くてすぐに仲良くなって、
華のすっとぼけた感じがまた更に可愛くて、女の母性本能をくすぐるというか…
華といることが多くなった。



それから半年、仕事も少しずつ覚えてきて慣れてきた頃。



仕事のきりが良くなったから飲み物でも買いに行こうとオフィスを出た時。


「ごめんね」

そんな声が人気のない廊下から聞こえた。


なんだろ?
興味本位で声のした方を覗くと、この会社のスーパーアイドル白百合蓮と受付の女の子が話していた。


「あの…。
どうしても駄目ですか?
私入社した時からずっと蓮さんの事が好きで…。」

どうやら私は告白の場面に遭遇してしまったらしい。


「気持ちは嬉しいんだけど…俺、心に決めた人がいるんだ」

誰もが羨む高嶺の花、白百合蓮はどうやら心に決めた人がいるらしい。

「そっ…その方とはお付き合いとかされてるんですか!?」
今にも泣きそうな受付嬢の女の子は振られてるのになおも食いつく。

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