素直になれない、金曜日


天使のように可愛い葵依ちゃん。



だけど、こうして近くで見るとやっぱり砂川くんと少し似ていて……。

本当に兄妹なんだなあ、と妙に感心してしまう。



じゃあ、そろそろ移動しよっか、と言おうとしたとき。




ぽつり、と鼻の頭に水の粒が落ちてきた。


あれ?と思ったのも一瞬で、ぽつ、ぽつ……とまたたく間にその粒の数が増えてくる。




「雨……?」

「……だな」




私の呟きに砂川くんが反応して、ひとまず近くの屋根のあるところに避難した。


屋根の下に入った瞬間、雨はざああ、と激しさを増す。



そっか、もう6月。
梅雨の時期だもんね。

そういえば一昨日も、その前も雨だったことを思い出した。




「桜庭さん、傘は?」

「折り畳みなら……」

「よかった。こんな天気だし、今日は……」



確かに、当初の予定である公園なんかじゃとてもじゃないけれどゆっくり過ごせない。


だけど。



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