今すぐ好きを。
「三橋洋介、です」


ピシッと伸ばしてた悠ちゃんの手が、少しずつ緩む。

「……千尋の幼馴染みの、榊悠です」


悠ちゃんは小さく溜め息、いや、深呼吸のように息を吐く。

「三橋君、悪いんだけど、千尋にはあんまり近づかないでほしい」



ハッキリとした、やっぱり少し低い声で、悠ちゃんは言った。


三橋君は、驚きを隠せないみたいだった。

悠ちゃんはそんな三橋君を見て、しばらく。



私の手を引いて、失礼します、と言い捨てる。


私はその場に留まる理由もなく、連れられるままに歩いた。



少しすると、悠ちゃんの家の前に着く。

言ってしまえば、私の家もすぐそこなんだけれど。
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