包み愛~あなたの胸で眠らせて~
薄い雲の隙間から存在を主張するかのように太陽の光が射し込む土曜日の朝。

布のトートバックを肩にかけて、玄関に向かう。休日だから今日の服装はカーキ色のシャツに白のスキニーパンツ、それに白のスニーカーとカジュアルだ。


「紗世ちゃん、牛乳も買ってきて」

「うん、分かった」


近くのベーカリー店へと私は出た。湊人に頼まれた牛乳はコンビニで買おう。

マンションを出て数メートル歩くと、これから行こうとしている店の袋を片手に持った広海くんに行き合う。彼も白いシャツに紺色のジーンズといった同じようにカジュアルな服装だった。


「広海くん、おはよう。私も今からパンを買いに行くとこなの。広海くんは、なに買ったの?」

「おはよう。チーズパンとソーセージが入ったのと、あと塩バターパン」

「塩バター。それ、私も好き。買ってこよう」

「うん、美味しいよね。行ってらっしゃい。あ、紗世。午後、なにか予定ある?」


今週、広海くんは二泊三日の関西出張や大きな会議があったりと忙しそうにしていたから、あまり話をしていなかった。
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