包み愛~あなたの胸で眠らせて~
だけど、今の彼はさすがに泣かないだろう。代わりに私が泣きそうだ。私が泣くのはお門違いになるだろうけど、長い間苦しんできたことを思うと辛い。
だって、彼の瞳には力が見えない。前に進もうとしても進めず、進むことを諦めてしまっているから。
これから先も一人でいると言い切ってしまう広海くんはこの先の未来をどう想像出来ているのだろうか。
苦しみながらも一人で頑張っていこうと思っているのだろうか。
もう広海くんを一人にしたくない。
そばにいて、苦しみから解放させてあげたい。そのためにすることは、彼の苦しみを理解してすべてを受け止めること。
「違うと分かっていても割り切るのは難しいよね。チョコを断ったのもそういうことなんだね。広海くんの気持ちを知らなかったとはいえ、ごめんね」
「ううん、紗世が謝ることじゃない。断ったのはそうじゃないんだ。あの時は、その、勘違いしていたから」
「勘違い?」
「うん……湊人のことを紗世の彼氏だと思ってたから、紗世に会えたことが懐かしくても、仲良くしてはいけないと思って」
だって、彼の瞳には力が見えない。前に進もうとしても進めず、進むことを諦めてしまっているから。
これから先も一人でいると言い切ってしまう広海くんはこの先の未来をどう想像出来ているのだろうか。
苦しみながらも一人で頑張っていこうと思っているのだろうか。
もう広海くんを一人にしたくない。
そばにいて、苦しみから解放させてあげたい。そのためにすることは、彼の苦しみを理解してすべてを受け止めること。
「違うと分かっていても割り切るのは難しいよね。チョコを断ったのもそういうことなんだね。広海くんの気持ちを知らなかったとはいえ、ごめんね」
「ううん、紗世が謝ることじゃない。断ったのはそうじゃないんだ。あの時は、その、勘違いしていたから」
「勘違い?」
「うん……湊人のことを紗世の彼氏だと思ってたから、紗世に会えたことが懐かしくても、仲良くしてはいけないと思って」