包み愛~あなたの胸で眠らせて~
長い時間待っているわけじゃないのに、早く言ってと急かしたくなって背中に手を置いたまま上を向く彼を見上げる。
私の視線を感じたのか上から下へと顔を動かしきて、止まったところで視線がぶつかった。
「あ」
「あ、ごめんね」
思ったより近い距離に広海くんは驚いた顔をしたが、私はつい謝ってしまう。
息がかかるほどまで近付いていたのが恥ずかしい。
でも、動揺しているのは私だけだったようだ。広海くんは平然とした顔でさらに動揺させることを言う。
「紗世なら分かってくれると思ったんだ。大人になっても紗世の目は子供の頃と全然変わっていなくて、怖いと感じなかった。それよりも懐かしさからきているんだろうけど、近寄りたい、触れたいと思って」
「それって、つまり、私がこんなふうに寄っても嫌じゃないってこと?」
「うん、全然嫌じゃない。安心するから。でも、怖くなくて安心するのになぜか緊張する」
緊張している?
そんなふうには見えないけど、広海くんも動揺しているのかも。
私の視線を感じたのか上から下へと顔を動かしきて、止まったところで視線がぶつかった。
「あ」
「あ、ごめんね」
思ったより近い距離に広海くんは驚いた顔をしたが、私はつい謝ってしまう。
息がかかるほどまで近付いていたのが恥ずかしい。
でも、動揺しているのは私だけだったようだ。広海くんは平然とした顔でさらに動揺させることを言う。
「紗世なら分かってくれると思ったんだ。大人になっても紗世の目は子供の頃と全然変わっていなくて、怖いと感じなかった。それよりも懐かしさからきているんだろうけど、近寄りたい、触れたいと思って」
「それって、つまり、私がこんなふうに寄っても嫌じゃないってこと?」
「うん、全然嫌じゃない。安心するから。でも、怖くなくて安心するのになぜか緊張する」
緊張している?
そんなふうには見えないけど、広海くんも動揺しているのかも。