包み愛~あなたの胸で眠らせて~
どのくらいの時間そうしていたか分からないが、広海くんの気持ちが落ち着くまでじっと受け止めた。
辛いことを思い出して、苦しくなった心が少しでも和らいでくれるなら嬉しい。
私は目を閉じて広海くんの胸に顔をうずめていたが、そっと目を開ける。カーテンのすき間から西日が射し込んでいた。
もう夕方だ。
「広海くん」
「ん……なに?」
私の肩に顔を置いた状態で返事をする広海くんの声はこもっている。
まだ離れる気はないようだ。子供みたいでかわいいなと背中に回していた手を髪へと動かし、そっと撫でる。
意外にもしっかりとした硬い髪質だったが、何度か撫でた。
「広海くんはもう一人じゃないよ。わたしがいるからね」
「うん、ありがとう」
「夜ご飯、一緒に食べようね」
「うん。……紗世、作って」
私よりも大きな体の広海くんが甘える様子は、なんだか愛しくなる。
一人きりで寂しさを我慢して、頑張ってきた広海くんにはなんでもしてあげたい。
「うん、作るよ。なにが食べたい?」
「焼き肉しようよ」
うずめていた顔を起こして、ハッキリと食べたいものを言う。
辛いことを思い出して、苦しくなった心が少しでも和らいでくれるなら嬉しい。
私は目を閉じて広海くんの胸に顔をうずめていたが、そっと目を開ける。カーテンのすき間から西日が射し込んでいた。
もう夕方だ。
「広海くん」
「ん……なに?」
私の肩に顔を置いた状態で返事をする広海くんの声はこもっている。
まだ離れる気はないようだ。子供みたいでかわいいなと背中に回していた手を髪へと動かし、そっと撫でる。
意外にもしっかりとした硬い髪質だったが、何度か撫でた。
「広海くんはもう一人じゃないよ。わたしがいるからね」
「うん、ありがとう」
「夜ご飯、一緒に食べようね」
「うん。……紗世、作って」
私よりも大きな体の広海くんが甘える様子は、なんだか愛しくなる。
一人きりで寂しさを我慢して、頑張ってきた広海くんにはなんでもしてあげたい。
「うん、作るよ。なにが食べたい?」
「焼き肉しようよ」
うずめていた顔を起こして、ハッキリと食べたいものを言う。