包み愛~あなたの胸で眠らせて~
「話はこれからいつでも出来るからいいんだけど、ただもう少し一緒にいたかったな。でも、そんなわがままは言えないよね」

「えっ……」

「ん? なに?」

「私も同じことを思っていたからビックリした。ただ一緒にいるだけで充分なのになと。でも、湊人も帰ってくるからそろそろ帰らないと」


私が帰ってしまうと広海くんはまた一人になってしまうし、明日も一人で過ごさなければならない。

一人にしたくないけど、いつまでも一緒にいられる関係ではない。これが恋人という関係だったら……。


広海くんは目と鼻の距離だというのに、わざわざ送ってくれた。ドアの前で向き合う。


「今日はありがとう」

「私こそありがとう。いろいろ話が出来て、よかった。そうだ、広海くん。月曜の朝は一緒に行かない?」

「いいけど、大丈夫?」

「えっ、何が?」


何を心配されたのか分からなく、聞き返した。朝一緒に行くのに困ることがあっただろうか?
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