包み愛~あなたの胸で眠らせて~
課長と広海くんは、他の部との打ち合わせ中で不在だ。あと話せる四人のうち一人は休みで、三人は外出中だった。

あとでかけ直す旨伝えて終わらせれば、とりあえずこの場は乗り切れる。しかし、パニックになっている堀田くんは何も聞き取れなくなっていた。

落ち着いて聞けば、相手の名前くらい聞き取れると思うのだけれど。

私は誰も助け船を出さないことに焦れて、堀田くんのもとに行った。


「変わってください」

「あ、はい……」


堀田くんは私の差し出す手に戸惑いの目を向けるが、受話器を渡す。派遣である私で大丈夫なのかと思っているかもしれない。私が声を発するまで、堀田くんはそこで見守っていた。

軽く頷いて、受話器を耳にあてる。

「Hello.I'm sorry……」

電話を変わったことを謝ってから、相手の名前と用件を訊ねた。

広海くんに取り次いで欲しいと言われたので、彼の不在を伝えた。用件を広海くんに伝えて、折り返し電話させると話し、受話器を置く。

英語で応対する私への視線を周囲から感じていた。
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