包み愛~あなたの胸で眠らせて~
目立たないようにしていたのに、今は注目を浴びていてやってしまったという気分。

だけど、困っている人がいて見て見ぬふりは出来なかった。

周囲の空気を読んでいないのか、堀田くんだけが興奮気味に声をあげた。


「片瀬さん、ありがとうございます! すごいですね! ビックリしましたよ。 なんでそんな流暢に話せるのに隠していたんですか?」

「別に隠していたつもりではないけど……」


実際隠していたのだが、この場でどう取り繕ったらいいのか分からない。

戸惑いながら、周囲の反応を気にしてしまう。

すると、広海くんに好意を抱いているという例の二人が敵意むき出しの顔で私の前までやって来た。


「謙虚な感じで言ってるけど、わざと隠していたんじゃないの? この課は話せない人が多いからって、バカにしていたんじゃないの?」

「そうよ、きっとそうよ。それで自慢げに電話に出るなんて性格悪いねー」


こんなふうに妬まれることがないよう、目立たないよう静かにしてきたつもりなのに……努力は水の泡。

文句を言うなら、あなたたちが堀田くんを助けたらいいのに!と返したいけど、何を言えず視線を床に落とした。

あの時と同じ非難を浴びるのが嫌だった。
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