包み愛~あなたの胸で眠らせて~
それに反論する人もまた出てくる。今、課内は二つに分裂していがみ合う形となっている。
私が電話に出たことで、こんな論争が巻き起こってしまうなんて……。
この場をおさめなければいけないと思うけど、それよりも私は自分に向けられる妬みに恐怖を感じて唇を噛みしめていた。
もうここにはいられない。
今すぐこの場から去りたい。
「おいおい、何を揉めているんだ? 片瀬さん、どうしたの? 顔色が悪いよ」
打ち合わせを終えて戻ってきた課長が不穏な空気の中で、私を気遣う。
気遣わないで……。
優しくされたら、もっと嫌われる……。
「あ、池永くん、聞いてよ! 片瀬さんが英語話せるって知ってた?」
「えっ? 話せる? どういうこと?」
課長より遅れて戻ってきた広海くんに例の女子社員二人が駆けよった。
広海くんは突然聞かされた事実に困惑し、私を見た。
私は彼に、もう英語は話せないと嘘をついた。嘘をついた私を広海くんはきっと軽蔑するに違いない。
広海くんだけには軽蔑されたくなかった。
「えっ、ちょっと! 待って」
私が電話に出たことで、こんな論争が巻き起こってしまうなんて……。
この場をおさめなければいけないと思うけど、それよりも私は自分に向けられる妬みに恐怖を感じて唇を噛みしめていた。
もうここにはいられない。
今すぐこの場から去りたい。
「おいおい、何を揉めているんだ? 片瀬さん、どうしたの? 顔色が悪いよ」
打ち合わせを終えて戻ってきた課長が不穏な空気の中で、私を気遣う。
気遣わないで……。
優しくされたら、もっと嫌われる……。
「あ、池永くん、聞いてよ! 片瀬さんが英語話せるって知ってた?」
「えっ? 話せる? どういうこと?」
課長より遅れて戻ってきた広海くんに例の女子社員二人が駆けよった。
広海くんは突然聞かされた事実に困惑し、私を見た。
私は彼に、もう英語は話せないと嘘をついた。嘘をついた私を広海くんはきっと軽蔑するに違いない。
広海くんだけには軽蔑されたくなかった。
「えっ、ちょっと! 待って」