包み愛~あなたの胸で眠らせて~
広海くんは私の話にひと言も挟まず、ただ聞いていた。真っ直ぐと見つめる目を逸らすことなく、話を続ける。


登校して、いつもの友だちグループのもとに行くとみんなの態度がよそよそしかった。違和感があったが、私は宿題のことを話した。

返事は「うん」としか返ってこなくて、話は盛り上がらず、他の話をすることも出来なくなり、沈黙した。

何かおもしろい話をした方がいいと思ったが、自分以外の子は突然トイレに行くと言い、残されてしまう。その後も何度か私が話をしているとトイレと行ってしまうことが多く、わざと残されているのかと思うようになった。

決定的に自分が嫌われていると分かったのが、委員決めの時だった。世話好きでリーダーシップを取ることのも好きだった私は迷うことなくクラス委員に立候補をした。

それまでもクラス委員をやっていたし、クラスをまとめる自信もあった。

しかし、予想外に反対する人が出た。それも一人ではなくクラスの女子ほぼ全員だった。


「片瀬さんがクラス委員をやるのは反対です。中井さんがいいと思います」

「私も同じ意見です」
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