私にはあなたでした。
そうだ。

同じ高校だった。
話したことはないけどいつも見ていた。

そんな懐かしい記憶が少し蘇ったが、
今はそれどころじゃない。

いそいで白石さんを家に送り届けないと。

でも家が分からない。

どうしようかと道端で考え込んでいると
後から聞き覚えのある声がした。

「あら、春風くんじゃないかい?こんな道端に座り込んでどうしたんだい?」

見ると、
俺が住んでいるアパートの管理人さん、
ちえさんが立っていた。

とりあえず、ちえさんに事情を話そうと思い
白石さんの上半身を道端に寝かしたとき、
ちえさんが驚いたように小走りで近づいてきた。

「冬華ちゃんじゃないかい!なんかあったんか?!」

目を見開きながら焦ったような口調で言うから、ざっと事情を説明した。

「とりあえず、家まで送らないけんね。」

少し落ち着きを取り戻したちえさんがそう言うと続けて、

「家は知っとるやろ?」

と言った。


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