不埒な先生のいびつな溺愛
しかし、私はひとつ気づいたことがあった。
私は久遠くんが何を考えているのか分からないけれど、それは彼だって同じだということだ。久遠くんにだって、私が何を考えているか分からないはず。
お互いの手の内が分からない状態で、当たり障りのない結論に落ち着くように嘘をつくということは、他の皆はするけれど、久遠くんはしない。
私だってそうするべきだ。
少なくとも、久遠くんと接するときは、嘘をついたりせず、自分が何を考えているのか正直になりたい。久遠くんはそうしているのだから、私だけ嘘をつくのは卑怯だ。
私はいつもの席に座って、お弁当を広げながら、彼に返事をした。
「久遠くん、ごめんね、実はそうなの。偶然久遠くんが皆に責められてるのを見ちゃってさどうしても我慢できなくなっちゃって。久遠くんに本を貸したのは私だし」
「俺が読んでたんだから、秋原は関係ねえだろ」
「そうかな、関係ないかな?」
座っていても身長差のある彼を見上げた。
彼の冷たく刺さるような口調に、私は徐々に慣れつつあった。だって本当は優しい言葉ばかりだ。素直じゃないけれど、とても素直なのだ。
「だって、関係、ねえ、だろ……」
私が怯まないからか、久遠くんの方が怯んだ。それがなんだか微笑ましくなり、私は少し笑った。
私は久遠くんが何を考えているのか分からないけれど、それは彼だって同じだということだ。久遠くんにだって、私が何を考えているか分からないはず。
お互いの手の内が分からない状態で、当たり障りのない結論に落ち着くように嘘をつくということは、他の皆はするけれど、久遠くんはしない。
私だってそうするべきだ。
少なくとも、久遠くんと接するときは、嘘をついたりせず、自分が何を考えているのか正直になりたい。久遠くんはそうしているのだから、私だけ嘘をつくのは卑怯だ。
私はいつもの席に座って、お弁当を広げながら、彼に返事をした。
「久遠くん、ごめんね、実はそうなの。偶然久遠くんが皆に責められてるのを見ちゃってさどうしても我慢できなくなっちゃって。久遠くんに本を貸したのは私だし」
「俺が読んでたんだから、秋原は関係ねえだろ」
「そうかな、関係ないかな?」
座っていても身長差のある彼を見上げた。
彼の冷たく刺さるような口調に、私は徐々に慣れつつあった。だって本当は優しい言葉ばかりだ。素直じゃないけれど、とても素直なのだ。
「だって、関係、ねえ、だろ……」
私が怯まないからか、久遠くんの方が怯んだ。それがなんだか微笑ましくなり、私は少し笑った。