私が恋をしたのは小説家でした
帰りのバスも乗り終え

やっと家に帰れる

やっと、ゆっくり眠りにつくことができる

そう思い、嬉しくニヤニヤしていると

やはり、その男がやってきて

何そんなにニヤニヤしているんだ

気持ち悪いなぁ

そして、その男もニヤニヤしながら

私をからかいに来たんだ

まったく、どこまでこいつは嫌なやつなんだ

そして、わざとやっているんではない

そう、そして自分のせいなのである

しょうがないので、自分を犠牲にし

その男をかばいながら

早く家に帰って眠れることが嬉しいので

うるさいの、どっか行ってくれ

と、そっけなく一言

そして、その男は

はいはい、わかったよじゃあまた明日な

と紛れも無い笑顔で言ってくるんだ

ずるい

そんなことを思いながら

ああ、また明日

と目を擦りながら、私はいった
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