がらくたのハート
4 友達
 
サックス山はチューバ山脈の手前にある、ポプラから一番近い山ですね。
丁度北に位置しています。

標高362メートル。大昔は金が取れていたらしいですが、現在は自然に守られている鉱山跡になってます。

取りつくされた金は かなりの高値で売買されたようです。

『奏恋花はどんな花なんですか?』

ワタシは山へ向かう道の途中で尋ねました。

『画像を探してみたのですが、見つからないんです』

「そりゃあそうさ。奏恋花は同じ形、同じ色は二つとないんだ。写真を撮ってもそれが奏恋花って証拠にならないからな」

そ、それは初耳です。
ロボットなのに……。
ネットが使えるのに……。
わずか10歳の子供が知っている事をワタシは知らないなんて。
まだまだデータに穴がありますね。

帰ったら博士に書き換えてもらわなければ!

『ラズは物知りですね』

「ウチ花屋だし。母ちゃんが無理矢理教えてくるんだよ。花の名前だとか特徴だとかな」

『では、どうやって奏恋花を見分けるんです?』

「奏恋花は風とかで花弁が揺れると、空気が花の中で渦を巻くんだ。花弁には実は凄く小さな穴が空いていて、そこに空気が通って音がなる。要は花を揺らして音が出るか出ないかで見分けるんだ」

ほ、ほほう。
世界にはワタシの知らない事が多いのですね!

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