がらくたのハート
 
では、花を見つける度に揺らせばいいんですね。

これは意外と早くみつかりそうですよ。

「お前意外と簡単とか思ってない」

『え? そうですねえ。きっとすぐ見つかりますよ』

「はあ……。だからお前はがらくたなんだよ」

失礼な。

「ここは鉱山だったんだろ? って事は、この山は穴だらけなんだよ。奏恋花の生息場所は湿った暗い場所。だから穴の中を調べまくるんだぞ」

言われてみればそうでした。ワタシとした事が……。
しらみ潰しに調べるしかないのですね。

『他に特徴はありますか?』

「そうだなあ。奏恋花は普通に探すだけじゃ駄目だ。けど、きっと求めれば見つかるよ」

どういう事でしょう。
ラズに聞いてもそれより先は教えてくれませんでした。何か秘密があるようですね。

ラズはただ一言だけ言いました。

「見つけてからのお楽しみ」

これは必ず見つけなければなりませんね。きっと博士なら気になって気になってトイレにも行けないでしょう。

さて、街道を歩いていると分かれ道が見えて来ました。
ボロボロのガイドポストには文字がかすれていて、何て書いてあるかわかりません。

『右ですね』

「何でわかるんだ?」

『実はワタシはさっきのネットで、周辺のマップをデータ内に保存していたのです』

ワタシは得意気に言いました。

「ふーん、ならいいや」

ちょ。
そこはもっと驚く場面でしょう!?
尊敬の眼差しを期待していたのですが……。

まあいいです。ワタシはロボット。そんな物必要ありません。

「もう少しでサックス山だ」

ボロボロのガイドポストを見送り、ワタシ達は道を行きます。
その先を暫く歩いて行くと林が道の周りに見えて来ました。
そこを越えればいよいよ、サックス山に到着です!
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