シンデレラは脅迫されて靴を履く



「…さあ、深桜。交渉の時間だ」


カップをソーサーに戻し視線をこちらに向ける雅爾さん。
先程までの弱々しさは感じられない。

何かを企んでいる黒い笑み。







「東宮と九条に仕返しをしたくはないか?」





「…はい?」



「東宮と九条に仕返しをしたくはないかと言ったんだ」


何を言い始めるかと思ったら…この人は。


「仕返し…ですか?」


私はとても間抜けな顔をしているだろう。


「ああ、俺はあいつらがしたことを許せない。だから仕返しを企てようと思っている」


仕返し…仕返し?
雅爾さんと私が?
東宮と九条を相手に仕返しですって?


「深桜、俺たちが失った時間を取り戻すチャンスだ。
仕返しが成功したらお前は晴れて自由の身だ。

さぁ、戻ってこい深桜。

俺の手を取れ」


自由になれる…


雅爾さんはこちらに手を伸ばす。
この手を取ってはいけないと思う。
でも、体は勝手に動いていた。


雅爾さんはよりいっそう黒い笑みを浮かべる。




「交渉成立だ」






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