Next to…
芹奈先輩と待ち合わせの場所も決めずにやってきた放課後。
正直、何故か全く嬉しさなんかなかった。
むしろ、本当に行くのかよ。って思いの方が強い。
何故、あの人にだけそんな気持ちになるのか分かんねぇけど、待ち合わせ場所を指定せずに今の放課後がきたからだ。
人が流れる様に教室から出て行く。
それに紛れる様に俺もプリントを手に教室を出た。
階段を降り、昇降口前で一度足を止める。
だけど先輩の姿さえ見えず、むしろイチカの姿を目で捉えた瞬間、再び足を動かせた。
今、あいつに捕まるとややこしくなる。
俺にくっついて離れない事は分かっているからこそ、見つかりたくもない。
「はい」
職員室に入って、担任に向けてプリントを渡す。
「おぉ、出来たか?」
「出来た」
「成瀬、お前な。こーいうのはな渡された時に少しづつやらないから後で困るんだぞ」
「……」
「授業中にやったり、寝たりしてるそうだが」
「……」
「もう夏休みだし気を引き締めないと。確かにお前は成績優秀でもな、普段の生活がよろしくない」
「……」
「夜中通報されるようじゃダメだぞ。だからな――…」
「もう行っていいっすか?」
この前聞いた説教をもう一度言う担任にうんざりする。
その面倒くさい会話を、俺は遮りため息を吐きだす。