最恐ドクターの手懐けかた








「遠藤先生」




部屋に響き渡ったその声で、顔を上げた。

一瞬、その声の主と目が合った。

涙がつーっと頰を伝った。




「小野先生……!!」




遠藤先生は顔をくしゃくしゃにして彼を呼ぶ。

そんな遠藤先生に……




「遠藤先生、君は病棟に戻りなさい。

続きは僕がする」




ぴしゃりと小野先生は言い放つ。

そのまま、小野先生は穏やかに、だがテキパキと患者に話しかけた。





「残念ですが、私たちはもう、赤ちゃんが出てくるのを止められません。

赤ちゃんはまだ体力がなく、陣痛に耐えられません。

これから緊急帝王切開をして、赤ちゃんはNICUに入ります」


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