最恐ドクターの手懐けかた









「妊娠六週に入ったところだね」




畑中先生は静かに教えてくれた。

その声は戸惑い、同情に溢れている。





「ほら、ここに胎嚢が見えるでしょ?

二週間後には赤ちゃんと心拍が見えるようになるよ」



「はい……」





何となくそんな気がしていた。

お腹の中に赤ちゃんがいる気がしていた。





「体調不良とかなかった?

気持ち悪くなかった?」



「いえ……大丈夫です……」




そう言いながらも、モニターに映し出される胎嚢をじっと見つめる。

今はまだ赤ちゃんは見えないが、きっと胎嚢の中で元気に生きてくれている。

私の小さな小さな大切な存在だ。



< 237 / 273 >

この作品をシェア

pagetop