最恐ドクターの手懐けかた
「この子のお父さんは、何て?」
「父親は、私の妊娠については知りません」
畑中先生をしっかり見て告げた。
「私は、私一人でこの子を育てます」
勝手に産んで、ごめんなさい。
だけど、産むしか選択肢がないんです。
それに……たった一回の過ちで、あなたの人生を無駄にしたくはない。
「病棟の皆さんには内緒にしてください」
そしてこの病院を退職して、出産後はもっとゆっくりした産婦人科医院で働こう。
遠藤先生を見ると、辛くなるから。
真実を告げてしまいそうだから。