最恐ドクターの手懐けかた
「俺は音楽の世界でもやっていけると思うが……勝てねぇんだ」
「……え?」
「親父には……どう足掻いても勝てねぇんだ……」
目の前にいるのは、私の天敵、非常識でセンス悪くて関わりたくもない暴君遠藤先生なのに……その顔は、少し辛そうに歪んでいる。
人間の感情なんて欠如していると思っていた遠藤先生なのに、こんなに普通の顔をするんだ。
その驚きで……胸の奥がきゅーっとした。
「どうせ二世とか、父親と比べられるだろ?
親の七光りって言われるだろ?」