最恐ドクターの手懐けかた
遠藤先生はおもむろに私に歩み寄り、
「貸せ」
受話器をぶん取る。
そのままいつもの調子で話をしていたが……気付いてしまった。
受話器を持つ手が微かに震えていることに。
冷酷鉄仮面の遠藤先生が動揺するなんて。
そして、私だって動揺していた。
遠藤先生の過去の話なんて関係ない、そう、仕事に私情を挟んではいけないのに……
何としても母子ともに守りたいと思った。
いつも以上に強く。